【おひとりさまの不安 第4回】
身の回りの支援やお金の管理のこと
「元気なときのあなたは、今、なにをしておくべきか」
前回までのコラムでは、もしものときが突然やってきたらどうなるか、ということについてお話しました。
今回からは、元気なうちからそのときに備える方策を紹介します。
「もしも」というのは、死だけではありません。
生きていても判断能力を失ってしまうようなことがあると、それまで当たり前にできていたことが困難になります。
身の回りのことやお金の管理などもできず、生活が崩壊し、金銭的な分別もつかず、不必要に散財してしまったり、詐欺にあってしまうかも知れません。
「判断能力を失う」というのは、高齢者の「認知症」も勿論ですが、働き盛りや若い年代でも突発的な疾病や怪我によって脳機能が低下してしまうこともあり得ないことではありません。
いざというときに、身の回りの支援や財産の管理をあらかじめ第三者にお願いしておく契約、それが「任意後見契約」です。
「後見」という言葉を聞くと、裁判所が決めた見ず知らずの弁護士などが財産をガチガチに管理してしまう、というイメージを思い浮かべる方が多いと思いますが、それはすでに判断能力を失ってしまった方が利用する「法定後見制度」というものです。
この「任意後見契約」は「契約」なので、自分がいざというときに任せたいと思う人にお願いする約束ができ、お願いする内容も、契約なのである程度自由に設定することができます。
任せたいと思う相手は、親族でもよいですし、信頼できる知人や、業務として行なっている士業者などの第三者でも可能です。
締結した契約書は公正証書にすることで法的効力が発生します。
次回は、この任意後見契約についての具体的な使い方と、メリット・デメリットについてお話をしたいと思います。
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